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屋外広告物規制

屋外での広告は自由じゃない!

 屋外広告とは、屋外において意思を伝えるために継続的に設置されるものです(屋外広告物法2条1項・以下「法」とします)。看板・立て看板・はり紙・はり札・立て札・のぼりなどがこれに該当します。

 このような屋外広告は、当然人目のつくところにおかなくてはならないし、また、人目を引くためにハデな表現に走りやすいという面を有しています。

 一方行政は、外見上調和のとれた街づくりのため、そして広告が倒れたりして被害が出ることを防止するためには、どんな広告(表現物)でも自由に許すというわけにはいきません。

 そこで、一定の場所においては、広告物の掲出をすることは許可制とするなどの規制が課せられています。

規制って何のこと?

 法律は、まず、基本的には「広告は自由で許可はいりません」としながらも、都道府県が一定の地域において広告物の掲出を禁止することや許可制とすることができる、としています(法3条、4条)。

 そして、奈良県においてはこの「一定の地域」が非常に広い範囲に及んでおり、事実上奈良県内の広告物の掲出は許可制となっていると言うべき状況です。

 具体的には、以下の各市町村においては、許可が必要とされています(奈良県屋外広告物条例 第5条1項および別表第一。以下「県条例」とします)。

 この地域において、無許可で広告物を掲出した場合は、30万円以下の罰金の制裁(県条例第5条1項、第18条1項)がある他、その広告物が行政において強制撤去されることもあります(「違反広告物の除却」)。

 懲役刑が定められていないことからすれば、無許可広告物の掲出は比較的軽微な犯罪ではありますが、知らずに広告を出しているだけで、検挙・起訴されて30万円もの罰金を払うように言われるかもしれないのです。対策を講じておくにこしたことはありません。

どこでも許可はとれるの?

 残念ながら、そもそも申請をしても許可が下りない「場所」があります。

 例えば、主なところでは「第一種低層住居専用地域」や、奈良県指定の史跡・名勝・天然記念物・都市公園・県立公園の場所などの風致を保持しようとする場所などがあげられます(県条例4条1項、2項)。(他にも多くの禁止地区があります。)  これらの場所においては、広告物掲出の許可を申請しても不許可とされます。特に風致を維持する必要性が高いからです。

 また、場所として問題ないはずのところであっても、広告物を付けることの許されない「物件」も定められています。例えば、橋・トンネル・高架橋・街路樹・ポスト・銅像・記念碑などの公共物です(県条例4条3項)。この制限によって、許可の下りるはずの場所であっても、ポストに張り紙をすることは認められないということになります。

店舗につける看板もダメ??

 以上見たところからすれば、例えば第1種低層住居専用地域にある店舗などについては、自分の店の店先に店名を書いた看板をたてることもできないのではないか、という疑いもでてきます。

 しかし、さすがにそこは考慮されており、この「場所」や「物件」の制限については例外が定められています(法6条)。

 例えば、自己の営業などに関し、自己の事務所・営業所等に表示するもので、その事務所などの所在地にある全ての広告物の総面積が10平方メートル以下であるもの(奈良県・三郷町の例です。他の自治体では異なる場合があります)については、掲出可能であり、かつ、許可も不要です(県条例6条1項4号、県条例施行規則第1条および別表、三郷町奈良県屋外広告物条例施行規則第5条および同別表第2)。

 ただ、「自己の事務所・営業所等に表示するもので」という条件があるため、営業所以外の場所に表示する場合、つまり、例えば店舗以外の道路沿いに宣伝のため立てるような普通の広告のための看板などは、当然この「場所」や「物件」の規制を受けます。

申請すれば許可は出る?

 許可が必要な地域で、かつ、禁止区域(許可の下りない地域)でないのならば、市町村長に許可を申請することになります。(もちろん、許可不要な地域であれば申請も不要なのですが、奈良県では多くの地域が許可が必要な地域であるというのは前述のとおりです)

 それでは、許可を申請すれば必ず許可が下りるのでしょうか。

 この屋外広告の規制の趣旨が、調和のとれた町並みの維持と、公衆への危害の防止という二点にあることからすれば、申請さえあれば必ず許可が出るというものでないことがわかります。

 では、どのような広告であれば許可されるのかが問題となりますが、これについても許可基準は市町村によって異なっていますので、よく検討する必要があります。

 例えば三郷町においては、外観上の基準として 市街地における広告物は、 都市の環境に調和し、都市美を害さないものであること。 景勝地における広告物は、環境に調和した色彩と意匠のものであること。 広告物は、その効果の限度においてなるべく小さくすること。 赤、緑及び紫の原色又は原色に近い色彩を使用する場合は、その表示部分を最小面積にとどめること。 赤色と緑色は、近接して使用しないこと。また緑色と紫色においても同様とする。 夜間照明を目的とするイルミネーション、ネオンサイン又はこれらに類するものにあつては、点滅速度はゆるやかなものとし、サーチライトは使用しないこと。

 というような条件が定められています。その他、危険を防止するための基準等もあります。 前述のとおり、他の市町村においては、別の基準が定められていますので、その都度確認する必要があります。 なお、このようにデザイン・形によっては許可がでない場合がありますので、デザイン確定前にあらかじめ規制状況を調べておく必要があります。

広告物の申請をするには

 禁止区域でなく、かつ許可が必要な地域であれば、申請して大手を振って広告を出しましょう。 例として、三郷町で申請するには

  1. 申請書
  2. 附近の見取り図
  3. 色彩・意匠を表す図面
  4. 仕様書及び設計図
  5. その他知事が必要と認める書類  などが必要です。

 1.の申請書は特に難しいところはありません。この1.以外は特に様式がありませんので自分で作成します。

 2.附近の見取り図は、その広告物の場所が分かるように附近の地図を表示します。あと、その敷地内のどの場所に掲示されるのかも示すため、別途敷地内の拡大図を表示すると良いでしょう。

 3.色彩・意匠を表す図面は、その広告物の外観がわかるような図や写真などとなるでしょう。色彩がわからなくてはならないので白黒書類ではいけません。奈良市では色ごとにマンセル値(色彩を数字化したもの)を示さなくてはならないなど複雑ですが、三郷町ではカラープリンタでの出力のみで大丈夫です。

 4.仕様書及び設計図は、その広告物がはり札、はり紙以外の場合に必要です。突風で壊れたり外れたりして公衆に危害を加えたりしないかという判断に必要なのだと思われるので、寸法などが詳細に、また広告物の材質などもわかるように表示する必要があります。(建物の設計図レベルの図面が必要になる場合があるようです)

 この他、例えば三郷町では手数料一覧表を添付するようになっています。

許可証写真 申請が終わるとしばらくして手数料の振込を求められますので、そのとおりに振込むと1ヶ月ほどで晴れて許可が出ます。右の写真のようなシールをもらえるのできちんと貼りましょう(三郷町の例です。なお、写真では黄色に見えますが、実際は金色の目立つシールです)。

許可を取ったら

 この許可も、数年ごとに更新が必要です。 多くの広告物は3年間有効ですが、モノによっては1年や1ヶ月(!)なんていうものもあるので確認が必要です。

参考ページ

 当事務所では屋外広告の許可取得のための書類収集・作成・提出を2万1000円からで請負っています。お気軽にお問い合わせ下さい。

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